2020年6月27日土曜日

請願書の紹介議員の人数について

今議会に請願を提出した坂田仲市さんが、刈谷市議会議長宛に以下の「請願の紹介議員に関する要望書」を提出しました。
その経緯をお伝えします。


刈谷市ホームページでは請願書の紹介議員の人数について、
「紹介議員は1人でもできますが、できれば2人以上でお願いします」と記載しています。

ですので、1人でも提出できるはずです。

ですが、坂田さんが5月22日に議会事務局に請願を提出した際に、
職員は受け取りはしましたが、受理はしませんでした。

その後、議会事務局は、紹介議員となった城内の責任でもう1人紹介議員を見つけてくるようにと、坂田さんが提出した請願を、城内に、差し戻してきました。
理由は、請願に重みを持たせるためであり、「議会の申し合わせ」で決まっているからというものでした。

この「議会の申し合わせ」というのは、議会の運営方針などについて、
これまで議員らが協議して決めて来たことや慣習など先例集のようにまとめられたものです。一般的にはどの議会にも有ります。

刈谷市議会の申し合わせには、請願の紹介議員について「できるだけ2人以上とする」と記載があります。
だから、できるだけ紹介議員は2人で提出し、市民が1人しか見つけられなかった場合は、紹介議員となった城内にその責任があるのだというものでした。

しかし坂田さんが長期に渡って議員らに、紹介議員の依頼や、請願趣旨について面談をし、承諾されなかった経緯を聞いていたので、もう1人見つけることは困難であることは明らかな状況でした。

また、そもそも市民の請願であるのに、どうしてそのような責任が紹介議員に発生するのかたずねても明確な回答はなく、申し合わせて決まっていて、議員たちが決めて来たことだ、という議会事務局の主張でした。

私は坂田さんの請願を紹介議員1人で提出すると再三訴えました。
その主なやり取りは以下の通り。


私:なぜ紹介議員が1人ではいけないのか?
市:請願に重みを持たせるためだ。
私:どこにそんな規定があるのか?
市:前例で決まっている。いつから決まっていることなのか分からない。
私:議事録にはあるのか?
市:議事録にも見つけられないくらい、以前から決まっている。


私:なぜ紹介議員が1人だと、請願に重みがないということになるのか?
市:例えば紹介議員が1人だと、議員が市民に請願を書かせて議員の要望を実現させやすくしてしまう。
私:であれば、刈谷市議会は会派制を採用しているが、そうした議員たちが複数の紹介議員を揃えやすく、少数会派には不利な条件ではないか
市:・・・・・(返答なし)。城内議員には紹介議員を見つける責任がある。


私:1人で提出したい。
市:とにかく前例がないし、議員たちが決めてきたことだ。紹介議員を一人で提出すると他の議員に城内議員がいろいろ言われることになる
私:言われても結構。一人で提出する。
市:ダメです。もう一人とにかく見つけて来てください。


私:シモ子議員が、以前に紹介議員1人で提出したことがあると言っている。なぜ私は1人で提出できないのか?
市:シモ子議員のケースは、もう1人の紹介議員が、請願が審議される委員会の正副委員長だと紹介議員になれないという申し合わせがあるので1人でも提出できたが、今回は違う。


私:市のHPに「できるだけ」とあるのだから、1人でも提出できるはず。そのできるだけの規定が無いなら1人で提出できるはずだ。
市:同様に書いてある市議会もある。例えば大府市も「できるだけ」と書いてあり、2人以上必要だ

 
 再三訴えても請願を受理してもらえない中で、この請願の提出のために奔走して来た坂田さんの活動や思いを知っているので、城内が紹介議員をもう1人見つけてこないことで、受理拒否があったらそれは避けなければいけないと不安になり、一旦断られた鈴木絹男議員に再度お願いし、紹介議員になっていただきました。

 その後、上記の議会事務局の対応や根拠の見当たらない理由を不審に思い、愛知県全54市町村議会の紹介議員の人数調査を、仲間の協力のもと調べました。

 結果、紹介議員2人以上を固辞したのは、刈谷市議会のみでした。

 ⑤で議会事務局は、「できるだけ2人以上」とホームページで書いている市議会は他にもあるようなことを言っていましたが、実際には大府市のみでした。
また、紹介議員を2人以上求める市議会は、「大府市議会」「新城市議会」の2つのみでしたが、実際に聞き取りをしたところ、刈谷市議会のように、2人以上を固辞するものではありませんでした。

 大府市議会の場合は、紹介議員も委員会で陳述するため(刈谷市は請願者か紹介議員どちらかしか陳述できない)、紹介議員が出席できない時に市民の願意を届けられないという事態を防ぐため、もう1人紹介議員がいた方が望ましいという理由で有り、市民の請願権を守るためのものであり、実際には請願者が紹介議員1人で提出したら受理しないなんてことは有りません。
 新城市は、請願者にできるだけ複数でお願いはしていますが1人では提出できないと言うことでは有りませんとの返答です。

 上記の要望書にもありますが、請願権は日本国憲法第16条で保障されている基本的人権の一つです。
 また地方自治法第124条の請願の提出の行政実例において
「議会には、法律上の権限としては請願権がない」
「請願は、憲法、法律に規定された国民の権利であるから、法定の形式を具備していれば、議長において受理を拒む権利はない」
と有ります。

 今回、議会事務局の市民の請願を提出した際に保留とした行為と、市民の負託を受けている議員が1人で提出したいとしても受理しなかった行為は、市民の請願権を侵害しています。

 刈谷市議会は、こうした市民の請願権を狭め、侵害しかねない申し合わせ等は廃止するべきです。

 請願権は市民のもの!です。