今日の朝刊に画家の安野光雅さんが、昨年12月24日にご逝去されていたという記事がありました。享年94歳。
安野光雅さんは、絵本や、風景画の作品集、挿絵など多くの作品を残していて、私はほんの一部の作品しか知りませんが、本屋さんや図書館に行けば、安野光雅さんの描かれた絵や本を目にすることが多かったので、日常的に安野さんの絵に接して来た気がしています。
国内外で数々の受賞や上皇后美智子さまとも親交があったとのこと。
想像力をかきたて、温かくて柔らかな安野さんの絵は、多くの人々を魅了してきたのでしょう。
安野光雅さんの絵に初めて出会ったのは、中学生の頃だったかと思います。
実家の店のお客さんに安野光雅さんと交流のある方がみえて、折に触れては、サイン入りの本をプレゼントしてくれました。
長女が生まれた時の出産祝いには、「いない いない ばあ のえほん」を贈っていただきました。
さんざん読み聞かせたので、もうボロボロ。
幼い長女が私の読み方をまねて、「いないいない」でグッとためて、今か今かと手のページを勢いよくめくって「ばあ」と言いながら夢中で読んでいた可愛い姿が、今も記憶に残っています。
「子どもの季節」は、17歳の時に送っていただいた本で、18歳で実家を出てからは肌身離さず側に置いてきた本です。もうシミだらけ。
まちの風景の中から次々と自然が失われていく中で、日本の原風景への畏敬と無邪気で遊んでいた子どもの時の心を忘れないでと、ずっと問いかけ続けてくれた本でした。
思えば、安野光雅さんの絵に、私も子どもたちも育てられてきました。
安野光雅さん、ありがとうございます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。